Tara Westoverさんの回顧録「Educated」を読み終えて

昨年、アメリカの様々なメディアでベストセラーとして取り上げられ、気になっていた「Educated」。この週末に一気に読み終えました。

一言で言うと、強烈な読書体験でした。

著者はアイダホ州出身の32歳の女性。ところが、本に描かれる彼女の少女時代は現代のアメリカ人のそれとは到底思えず、2000年問題や911のくだりで現代に引き戻されなければ、同時代に生きる人の回顧録だとは信じられないものです。

彼女の両親は、モルモン教の終末思想を狂信的に信じていて、学校や行政機関、医療機関を敵視しています。それらから距離を置こうとする両親の徹底ぶりは偏執的に映るほどですが、外部から隔離された世界に生きる彼女にとっては、両親の教えこそがすべてでした。

その彼女が「教育を受けること」で、自分の置かれている世界や家族のことを客観的に見ることができるようになり、後に、自身の世界を大きく広げていきます。「教育を受けること – Educated」の力や必要性を強く感じました。

彼女の置かれていた環境は特殊でしたが、程度の差こそあれ、どの家庭でも子は親の教えに抑圧されているもので、子が「教育を受けること」が親の教え(価値観)から飛び出していく、その力になるのだと改めて気付かされました。それならば、親と同じ価値観を押し付けるような教育のレールを敷くべきではなく、そういう誘導をしていないかと反省もしました。

ところで、彼女の両親は、キリスト教の異端とされるモルモン教徒の中でも特殊な思想をもつ人びとですが、そのモルモン教の土台となったアメリカのキリスト教自体も、ヨーロッパのキリスト教とは随分と違うように感じていました。そんな興味から読んでみたのがこちら。

アメリカの宗教的な歴史を知ることができ、自分の感じていた違和感に対しても一つの解を得たように思います。

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