先日の記事の続きです。
今日は、学生時代に銀行系のクレジットカード会社で勧誘のバイトをしていたときの話を。
大学3年のとき、家庭教師バイトの傍ら、派遣会社から紹介されるキャンペーンやイベント等の単発のお仕事をしていた時期がありました。そこから紹介される仕事で、月に4、5回程度コンスタントに入っていたのが、銀行系クレジットカード発行会社のカード勧誘の仕事でした。
社員の男性1名と派遣女性2名で、系列の銀行の支店を訪れ、支店のお客様にクレジットカードの紹介、勧誘をしていました。ときには、渉外の方と一緒に取引先を訪れることもありましたが、ロビーでお客様に声を掛けるのが主な仕事でした。ノルマはなく、初対面の人に抵抗無く声を掛けるタイプの私には、それほど苦になることもありませんでした。のべ50店舗近く訪れたでしょうか。
仕事をこなす中で、クレジットカードの種類(UC、DC等の国内ブランドとVISA、マスター等の提携海外ブランド)や、分割払い・リボルビング払いなどの支払の仕組み、カードに付帯する旅行の傷害保険など、お客様に説明するような内容を学べたのはもちろんですが、より勉強になったのはクレジットカード発行の審査にまつわる部分でした。
クレジットカードの発行会社には、銀行系、信販系、流通系があり、中でも、銀行系クレジットカードの審査が一番厳しいとされていて、勧誘の際には常にこの要件を意識している必要がありました。
収入額の目安もありましたが、より重要だったのは、勤務先や勤務年数です。自営業の場合には創業から何年経っているか、転職している場合は、転職時から何年経っているか、転職前の仕事を何年続けていたか等、それぞれ目安がありました。
加えて、持ち家があるかどうかなどの資産に関する確認項目もありましたが、どちらかといえば、今の住まいの居住年数の方を気にしていたように思います。銀行は、資産状況よりも、毎月確実に一定のキャッシュが入ってくるのかどうか、収入・暮らしが安定しているかどうかを重視しているのだと知りました。
当時は、今ほど勤務形態が多様化しておらず、男性であれば社員として働く方が大半でしたが、離職率が高いために勧誘しないように言われていた職種もあり、支店の客層によっては、なかなか声が掛けづらいことがありました。一方で、大企業に務めるサラリーマンについては勤続年数など問わず勧誘できたため、都心のオフィス街に構える支店であれば、苦労せずとも多くの申し込みを受けることができました。
少し話がずれますが、同じ銀行であっても土地(支店)よって客層が大きく異なるというのは、どの土地でも都市銀、地銀、信用金庫といった金融機関の種類で顧客の棲み分けがされているのではないかと考えていた私には、意外に感じられたものです。銀行の合併、統合が進みつつあった時期でもあり、この銀行も過去に合併を経ていたことが支店のカラーに幅があった一因なのかも知れません。
ところで、審査といえば、まずクレジット履歴が頭に浮かぶ方が多いのではないかと思いますが、勧誘時はそれほど重視されていなかった記憶があります。中には正直に「昔、カード取り上げられちゃって……」なんて話される方もいましたが、初見の勧誘時にチェックできることは少なく、勧誘後の審査(信用情報機関への問い合わせ等)に委ねられている部分なのだろうと思います。勧誘の際には、審査の結果によっては希望に添えない可能性があるとだけ伝えていました。
クレジットカードが嫌いな方は一定数いて、無下に拒まれることも少なくはなく、楽しい仕事というわけではありませんでしたが、後から思えば、社会に出る前に銀行というところがどのように人を見ているのか、その一端を知ることができたのは有意義だったと思っています。
2018.2.26追記
もう一つのバイト経験、信販会社での督促のアルバイトについて書きました。
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