Apple Storeのジーニアス・バーで働いていた経験のあるScottyさんが自身のブログ「overthought.org」で紹介していた『iPhoneバッテリーの持ちを良くするための究極のガイド』。センセーショナルに取り上げられていた「アプリの手動終了は電池持ちを悪化させる」以外にも、興味深いことがたくさん書かれていたので、個人的にためになった箇所をまとめてみました。
全文は訳していませんので、内容をもれなく読みたいという方は、原文をどうぞ。
ちなみに、私がバッテリーの持ちについて以前に書いた記事はこちら。
Facebookアプリの設定を見直すことでバッテリーの持ちが良くなる
Facebookアプリって以前からよく叩かれていますが、実際、Facebookアプリのせいで電池持ちが悪くなっているケースって非常に多いのだそうです。プロセス解析をすると、Facebookアプリを使っていない時間でもCPUやメモリーの使用率が急に上がったりすることがあるよう。
そこで、「設定」アプリの「一般」>「Appのバックグラウンド更新」、同じく「設定」アプリの「プライバシー」>「位置情報サービス」で、それぞれ「Facebook」をオフにすると良いそうです。私の場合、「位置情報サービス」はオフにしてありましたが、「バックグラウンド更新」はオンになっていました。
「Appのバックグラウンド更新」は、Facebookアプリ以外でも、不要なものはすべてオフにした方が良いとよく言われていますが、Scottyさんもそう言ってます。
私が使っているアプリだと、これをオンにしておかないとダメなのは、ナビとして使う「Google Maps」や「FieldAccess」(記事はこちら)のようにGPSログを記録するアプリくらいです。“自分が見ていなくとも、最新の状態に更新されていないといけない”もののみオンにすれば良いわけですから、そんなアプリはあまり多くないと思います。
アプリの手動終了はバッテリーの持ちを悪化させる
これがさまざまなメディアで大きく取り上げられた項目。「こまめにアプリを終了するとバッテリーの持ちが良くなる」というのはiPhoneユーザーにかなり広く浸透しているようで、なんと60代の私の母まで知っていました。ところが、Scottyさんが実はそうじゃないんだよと言ったから、話題になったわけですね。個人的には、この項目、冷静に読む必要があると思います。
アプリを手動で終了すると、そのアプリが使用していたメモリーは開放されます。そうすると、次にまた同じアプリを起動するときには、iOSはそのアプリをメモリーにロードしなければならなくなるわけです。このメモリーの開放やロードの処理でもバッテリーを使うわけだから、何もしないで放っておくよりバッテリーの持ちは悪くなるというのがScottyさんの見解。
ユーザーが手動で終了しなければ、そのアプリはメモリー上にロードされたままになっています。iOSとしては、アプリの起動時間を早くするためにそうしているわけで、もしメモリーが足りなくなったときには、使われていないアプリを終了させてメモリーを開放するようです。だから、ユーザーがメモリーの開放なんて意識する必要はないし、そもそも、メモリーにロードされたままになっていても、以下のようなアプリでなければ、バックグラウンドで動いていないため、バッテリーに悪影響を及ばさないというのが彼のロジックです。
バックグラウンドで動くアプリとして彼が挙げているのは、「Appのバックグラウンド更新」をオンに設定しているアプリ、音楽プレーヤー、位置情報サービスを使うアプリ、録音をするアプリ、Skypeなどインターネット電話の着信を受けるアプリ。
つまり、上記以外のアプリで、しょっちゅう使うアプリをこまめに終了させていたというような人は、その習慣を止めることで(恐らく若干だろうけれど)バッテリーの持ちも良くなり、アプリの起動も早くなるので、より快適に使えるようになるだろうと期待できます。一方で、Facebookアプリを「Appのバックグラウンド更新」をオンにして使っている人の場合、むしろ定期的に手動終了させることでバッテリーの持ちを良くさせていたはずで、持ちが良くなるという実感もあったんではないかと考えられます。
私の場合、iPhone 4を使っていた頃は、一日に一度くらいは使わないアプリの手動終了をしていて、当時はそうすることで持ちが良くなるという実感がありました。iPhone 5に替えてからは、ごくごくたまにしかやらなくなったのですが、それは、(恐らく以前よりも適切な設定をしているため)電池持ちが悪いと感じること自体がほとんど無くなったからではないかなと思います。たまにアプリが上手く動いていないと感じられるときに、再起動させるために手動終了させることはありますが…。
バッテリー残量のパーセント表示を止める
バッテリー残量を気にする人は、それを確認するためだけにiPhoneを触る傾向があるから、余計にバッテリーを消費してしまうというのがScottyさんの見解。そもそも、このパーセント表示はその時点でのバッテリー残量と使用状況から決まる推定値で、ナビの到着予想時間と同じようなものだと言っています。ナビだって、渋滞があって法定速度で走れなければ、到着予想時間はどんどん遅くなっていくように、その後の使用状況が変われば(GPSを使うアプリを使用するなど)、パーセント表示が急に下がることもあるということ。
私は、このパーセント表示、iPhoneを使い始めた当初から一度もオンにしたことがありません。パーセントがそれほどあてにならないのではないかと思っていたからで、だいたいの残量がわかれば十分と思っています。
携帯電波の受信状況が悪い場所では、機内モードを利用する
携帯電波の受信状況が悪い場所では、なんとかその弱い電波に繋がっていようとするため、明らかにバッテリーの消費が多くなります。これは、山に行くとすぐ実感できること。そんな場所では、機内モードにしてしまう方が良いというのはよく聞く話で、私も山小屋に泊まるときなんかは機内モードにしています。
Scottyさんによると、高いビルが乱立するエリアやビルの地下など、都心でも電波が著しく悪くなるところはたくさんあり、特に、Wi-Fiは非常に安定しているけれど、携帯電波が不安定な場所は注意が必要とのこと。データ通信はできてしまうから見逃しがちだけれど、こんなときは、機内モードにしない限り、やはりバッテリー消費は多くなってしまいます。そんな場所に長く居る場合には、電話を受ける必要が無いなら(もしくは、電話を受けるのは諦めて)、機内モードをオンにして、その後Wi-Fiだけオンにしておくことを奨めています。
そして、これは初めて知ったのですが、iPhoneに表示されるアンテナ(iOS 7ではドット)の数は、通話用電波の強さを表示するもので、データ通信用電波の強さはわからないということ。ドットの数が多く、電波が安定している(そもそも、ソフトバンクのはあんまり当てにならないと言われていますが…)と安心していても、実は、データ通信の方の電波は弱くて、バッテリーを多く消費しているケースというのがあるようです。
最後に
Scottyさんの記事は、彼の経験から書かれた非常に良質な記事だと思います。元記事には、私がまとめたポイントの他にもいくつかバッテリーの持ちを良くする方法が紹介されていますが、「不要なプッシュ通知をオフにする」など一般的によく知られているような内容は割愛しました。
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