半年ほど前のことなのですが、ハワイでソフトバンクの「アメリカ放題」を使ってきました。前の年のハワイでは、モバイルWi-Fiルーターをレンタルしたので、双方の使い勝手を書いてみます。
結論を先に言うと、ソフトバンクの「アメリカ放題」は本当に便利です。面倒なことを一切せずに、アメリカに着いた瞬間から、日本と同じようにiPhoneが使える便利さが手に入るわけですから、例えば、1年に一回の渡米頻度であっても、ソフトバンクiPhoneの利用を検討する意味があるように思います。
「アメリカ放題」なら、到着してすぐに使えるのが魅力
Wi-Fiルーターは、日本で借りて行く方法と現地で借りる方法があります。日本で借りていくと、到着後すぐ使えるのは良いのですが、レンタルする日数が増え、現地の価格よりも割高な価格設定になることも多いのがデメリットといえます。私が2年前に「グローバルWiFi」で借りたときは、現地での受け取りを選び、ワイキキにあるオフィスに受け取りに行き、ホノルル空港で返却しました。滞在していたホテルのすぐ近くにオフィスがあったので、時間のロスはそれほどありませんでしたが、帰りの空港で出国前に返却ポストを探して投函する、というような多少の手間はかかります。
一方、「アメリカ放題」は、空港に到着して、iPhoneの電源をオン(「機内モード」にしていたならオフ)にすれば、その時点からすぐに利用できました。日本にいるのと全く同じ感覚で使えてしまうのです。帰りも、飛行機に乗り込む直前までネットも電話も使えました。
設定は「データローミング」をオンにするだけ(ソフトバンクの説明サイトはこちら)です。
注意が必要なのは、対応機種でしょうか。半年前、私は、ソフトバンクiPhoneならば全ての機種でこのサービスを使えると勘違いしていたのですが、iPhone 5、iPhone 5cはこのサービスの対応機種ではありません。ハワイで会うことになっていた友人が当時iPhone 5ユーザーだったのですが、向こうに着いてからこのサービスを使えないと聞き、びっくりしました。
「アメリカ放題」なら無料
モバイルルーターのレンタルも随分と安くなってきているとはいえ(ちなみに、私が2年前に借りたときには4Gルーターが5日間で1台3,420円でした)、「アメリカ放題」なら無料です。私達夫婦も通話やデータ通信で使い倒しましたが、ハワイでの利用に対する追加請求は一切無し、日本での毎月の携帯料金のままで利用できました。
ただし、サービス開始キャンペーンが今月末で終了するため、通話プランがホワイトプランの場合、もしくは、スマ放題でもデータパックが5GB未満の場合、来月以降の利用は、事前に申し込みが必要になり、有料になるようです(スマ放題5GB以上なら、自動申込で、引き続き無料です)。とはいえ、請求があるのは利用した月のみで、かつ一日単位ではなく、月で980円ですから、有料になるユーザーにとっても良いサービスだと思います。
2016.7.16追記
先月末のキャンペーン終了の周知が十分でなかったために、混乱があったようで、2016年7月15日から無料キャンペーンが再開したそうです。
「アメリカ放題」なら通話もできて、通話も無料
レンタルルーターの場合、可能なのはデータ通信のみですが、「アメリカ放題」ならば通話も可能です。日本でのプランがスマ放題であれば、日本への携帯・固定、アメリカの携帯・固定宛ての発信がすべて無料になります。ホワイトプラン利用者でも、ソフトバンクの携帯への発信が24時間無料になり、それ以外の携帯・固定への発信も日本にいるときと同様、30秒20円です。共に、着信はすべて無料です。
ハワイでの滞在中、夫と別行動のこともあったので、いつでも電話ができるのはやはり便利でした。ルーターでもLINE電話などを使えば通話できなくはないのですが、通常の通話の方が音声品質がずっと良かったです。一緒に旅行している相手が家族でなくとも、ソフトバンクの携帯を使っている人であれば、24時間通話が無料というのも便利です。
良いところばかりのサービスに思えますが、一点だけ気をつけなければならないのが、このサービスの対象となるのは「Sprint(スプリント)」のネットワークを使った通話のみということ。アメリカ放題を使う際には、キャリアの設定を「自動」にして使う必要があるのですが(日本にいるときにも「自動」で使うものなので、そのままで大丈夫です)、そうすると、Sprint以外の電波も掴んでしまうのです。T-MobileやAT&Tなど、Sprint以外のネットワークを使って通話してしまうと、その分は、対象外となり1分140円といった高い通話料金がかかってしまいます。
データ通信については、データローミングが「オフ」になっていれば(日本でも「オフ」で利用します)、Sprint以外のネットワークでは通信不可になるため、課金の心配は無いのですが、他のキャリアでも発信・着信できてしまう通話は要注意です。発信時は、Sprintになっていることを確認してからかければ良いだけですが、着信は電話に出ることを最優先しがちなので、特に注意して使っていました。
とはいえ、Sprint以外のキャリアに繋がるのはたいてい一時的なもので、少し移動するとSprintに繋がることが多かったように思います(「自動」になっていると、Sprintの電波があるところでは、Sprintに優先して繋がる仕様なのだと思います)。しょっちゅう他のネットワークに繋がっているという感じではありませんでした。
現地のキャリアネットワークに繋がると、ソフトバンクからSMSが届きます。
Sprintに繋がったときは、このようなメッセージですが、
AT&Tなどに繋がったときには、以下のようなメッセージが届きました。
「海外パケットし放題」ネットワークということは、「アメリカ放題」のネットワークではないということなので、電話の発信・着信時に注意します。ちなみに、データ通信は、上にも書いた通り、データローミングが「オフ」になっていれば通信できずにエラーになるだけなので、課金の心配はありません。
ルーターを持ち歩かなくて済む、ルーターのバッテリーを気にしなくて済むのはラク
モバイルルーターは大きなものではありませんが、それなりに厚み、重みがあります(写真下、黒いのがルーターです)。
加えて、Google Mapなどをずっと利用していれば、バッテリーの減りも気になるため、モバイルバッテリーも常に持ち歩くようにしていました。
小さいバッグ派の私にとっては、「アメリカ放題」でiPhone一つで済むというのは大きなメリットでした。
通信エリアや通信品質はそれほど変わらない印象
私が借りたモバイルルーターは、Verizonの4Gネットワークを使うもので、「アメリカ放題」ではSprintの4Gネットワークを使いますが、どちらも移動中に一時的に圏外になる場面があったものの、ごくごく短い時間で、少し移動すれば電波を掴むことができました。車のナビ用途としてのGoogle Mapの利用、情報検索のためのSafariの利用、LINEでのメッセージのやりとりなどに使う分にはどちらもほとんど問題なかったです。
ただ、ホテルの高層階ではモバイルルーターの電波受信が不安定で、Wi-Fiには繋がっているのにネットに繋がらないという状態になることが何度もありました。そのため、私は部屋にいるときにはホテルのWi-Fiに切り替えるようにし、別部屋に滞在していた母や妹にもそうするよう伝えていましたが、二人はiPhoneにWi-Fiのマークが出ていればネットに繋がっていると思っていたようで、連絡が付かないということが何度かありました。
アメリカ放題のiPhoneの方は、ホテルの高層階でも使えましたが、前回と今回では滞在していたホテルも異なるので、単純には比較できないと思います。
ところで、モバイルルーターは、調子が悪くなったときにはリブート(電源を落として、入れ直す)するよう言われていて、滞在中に数回リブートした覚えがあります。リブートすればまた問題無く使えるようになり、大して面倒でもありませんでしたが、そういう操作が時に必要になるという認識はあった方が良いのかもしれません。
そんなわけで、総合的に判断すると、「アメリカ放題」の方が便利に使えると思います。
もし現地の人とのやりとりが多いならば……
日本でのプランがスマ放題であれば、アメリカの携帯・固定宛ての発信・受信がすべて無料になる「アメリカ放題」ですが、アメリカの携帯・固定からこちらへかけてもらう際には国際電話になってしまいます。現地の人とやりとりが多い場合には、いくらこちらが発信・受信無料になるといっても、現地SIMカードを用意することを考えた方が良いと思います。
2018.12.16追記
現地SIMカードを購入するよりオススメなのが、こちらのフィルムSIM。国内の通信障害に備えつつ、海外旅行でも活用できちゃいます。アメリカ放題がメインで、現地の人とのやりとりのときだけフィルムSIMに切り替えるといったことも可能です。
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