母から娘へ伝える「メール」の心得

小学校高学年や中学生のお子さんをもつママとお話をしていると、子供同士のメールでのトラブルについて聞くことがあります。

「友達の悪口をメールに書いたら、送った相手がその本人に見せてしまった」「一人の子に送ったメールを大勢の子に転送されてしまった」等。子供だから、不用意に書いた内容を送ってしまうというのはあり得るし、それが後になってトラブルに発展してしまうというのはよくわかります。

大人同士であっても、送られて来たメールの真意を図りかねることはあるし、こちらの意図とは異なる受け取られ方をしてしまうこともあります。メールは難しい。だから、私達は注意深く言葉を選び、誤解を生まないよう、絵文字や顔文字を使って感情を伝えようとします。そもそも、大事なことはメールで済まさず、面と向かって話そうとします。それは、大学生になってからメールを使い始めた私達が経験から学んできたものです。

小学生や中学生に、何のアドバイスもなく、ポーンとツールだけ与えてしまうのは少し無責任のように思います。もちろん、本人達がたくさん失敗しながら学んでいくのも一つのやり方ですが、既にメール歴15年以上(!)の私たち親世代から子供達に伝えられるメールの心得があるように思うのです。食事のマナーや公共機関を利用するときのマナーを教えるのと同じように。

そして、心得を伝えるためには、私がメールを使う様子を見せるだけでなく、娘自身も少しずつメールに触れることが必要だと考えています。といっても、メール機能付きケータイは与えたくない。使うのは、娘がまだ幼稚園生の頃に取得した娘専用のGmailのアドレス。私のiPhoneにそのアカウントを設定し、私が内容をチェックしてから送るという約束で使わせています。送る相手も私の親しい友人や親戚など。実験的に与えてみたアカウントでしたが、家族以外の大人とのメールのやりとりの中で、メールとの向き合い方を学んでいるように思います。

以下は、私が娘に伝えてきたこと、これから伝えていこうと考えていることです。

メールは私信

娘は、郵便で私宛てに送られて来た封書を勝手に開くようなことは絶対にしませんが、メールの場合、例えば、iPhoneでゲームをしていたときに届いたメールなどを勝手に見てしまうことがあります。その度に、「メールはママ宛てのものだから、勝手に見るのはマナー違反」と伝えています。

メールは慎重に書く、送る前に見直す

メールは手紙と同様、ずっと残るものだから、いつもの会話より慎重になる必要がある、相手への思いやりをもって書く必要があると伝えています。書き終わったら、必ず先頭から見直す、そうやって、すぐ送信しない癖をつけることも大切だと思っています。

メールアドレスは自分のものも他人のものも慎重に取り扱う

名前や住所、生年月日などと同様、メールアドレスは大切な個人情報。学校以外の場所では名札を隠したりするように、メールアドレスも人の目に触れないようにするものと伝えています。オンライン、オフライン問わず、むやみに書いたり、人に教えたりしてはいけないと教えています。

知らない人からのメールには最大限の注意を払う

娘の受信フォルダに迷惑メールがまぎれこむことはありませんが、怪しいメールが届いたら、絶対にクリックしたり、返信したりしてはいけないと伝えています。私に届いた迷惑メールの手口を説明することもあります。

手書きのメッセージに勝るものはない

家族や親友のお誕生日のお祝いなど、心からの気持ちを伝えたい場面では、メールで済まさず、手書きのカードや手紙を書くのが私のルール。基本デジタル派の私ですが、残したいアナログもあります。娘にもいつまでも手紙を書いて欲しいと思っています。

勝手に転送しない、転送されたら困るようなメールは書かない

今はまだ、転送機能について説明もしていませんが、以下は、今後必ず伝えなければと考えていることです。

個人的に送られて来たものを断りなく他の人に転送する、引用するのは、マナー違反。それでも、人が転送することを制御することはできないので、人に転送されて困るようなことをメールに書いてはいけない、さらに、個人的な内容でなくても、安易な転送はしないよう教えなければならないと思っています。「他の人にも伝えて下さい」というようなメールが届いた際に、すぐに転送してしまうのではなく、その内容、出所の信ぴょう性を自分で調べたり、判断したりする習慣を付けて欲しいと考えています。

最後に

これからは、LINEなどのカジュアルなメッセージサービスが主流となっていくのかもしれません。そうだとしても、私は基本となるメールの心得は伝えておきたいと思っています。時代や世代が変われば、考え方も変わっていきます。だから、いつかは娘のルールでメールを書くようになるのだと思いますが、私のルールがそのベース、もしくは、たたき台になればいいのかなと思っています。

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